Rukai(ルカイ)とは宮沢賢治の『二十六夜』に登場する爾迦夷(るかゐ)というフクロウの名に因みます。
拭く拭く福の神
【壱の福】鎖骨の出現
ある日、「とにかく居住まいを整えなくては」と思い、お手洗いの掃除をしました。
掃除に使う道具は、着なくなった綿のTシャツをチョキチョキ切ったもの。
「使っては捨て、使っては捨て」しながら拭いていったところ、これがすこぶる気持ちがいい。
夢中になって、その日はお手洗いと洗面台だけをしたのですが、次の日には床も全面拭きました。
「拭く」のは、掃除機で「吸う」のと、仕上がりが全く違う。
なにかのスイッチが入ったのか、次の日も「ふくふく福の神」と心の中で言いながら床を拭くと、雑巾が汚れます。
そっか、1日だけでも、汚れるんだ。
そして、今日の拭いた後は、昨日よりも断然キレイ!
こうして「拭く拭く」は様々な状況を一変させていきました。
まず最初に、鎖骨あたりの贅肉が落ち、鎖骨が出現しました。
そして背筋が付くとともに、背中の贅肉が目に見えて薄くなり、積年の肩こりも解消し出したのです。
床を拭いたり、家の中を拭くのですから、当然家の中が目に見えて美しくなっていきますが、なにより自分を突き動かしたのは、こうした体つきの変化でした。
具体的に言うと、体重、体脂肪率がゆるやかに落ちて、体が軽くなってゆくことが、自分でわかることが楽しくて仕方がない。
これは、床用のワイパーなどの道具を使うのではなく、雑巾で四つん這いになって、手を動かして拭くことが、とても重要なポイントです。
① 四つん這いになって拭く
→ 体を支えるために必要な背筋がついて、その筋肉を動かすために背中の脂肪を燃焼することになり、贅肉が落ちる。
② 腕を伸ばして高いところを拭く
→ 肩周りの小さな筋肉も連動させて動かすことになり、鎖骨まわりの贅肉が落ち、肩こりが解消される。
③ 立ちと座りを繰り返す
→ 普段動かす機会の少ない「全身を連動させる動き」が軽くなる。
それで、気が付いたのです。
「拭く拭く」は、赤ちゃんの「ハイハイ」と「ひとり立ち」の動作をしているんですね。
そして「しゃがむ」「立ち上がる」という動作は、背筋と腹筋をとても使うんです。
けれど、大きくなるにつれて、腰とか膝とかを上手に使って立ったり座ったりするようになると、背筋腹筋は楽を覚えて、動きを彼らに任せてしまうようになるんじゃないでしょうか。
その丸投げは年を重なるにつれてひどくなって、使われない背筋と腹筋は筋肉が減少して脂肪が付きます。
そうして体重が増え、ますます腰と膝に負担がかかることになり、慢性的な腰痛や膝の痛みなど、いろいろ不具合がおきてしまうのではないでしょうか。
自重(自分の体重)を支えて直立し、二足歩行をするのに必要な背筋と腹筋が自然に付いてゆき、いつの間にか贅肉が落ちるのか、「拭く拭く」の福です。
【壱の福】