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翁のことほぎ(1)

老から若への再転換をもたらす役割を担うのが翁です

翁のことほぎ(1)
国立劇場(東京)開場45周年記念
「人形浄瑠璃文楽九月公演」2011年
『寿式三番叟』

「ことほぎ」は、「寿ぎ」や「言祝ぎ」とも書かれ、結婚などの祝儀の場面には、寿(ことぶき)があふれます。

今は少なくなりましたが、婚約に際しての結納の品々の中に高砂人形があったり、結婚の披露宴では親戚の長にあたる男性が『高砂』を謡うなどして、若い二人の和合による子孫繁栄と共白髪の老になるまでの長寿を祝い願ってきました。

こうして古来より日本では、子孫繁栄の証として「寿」「若」「結」「老」が、順にめぐり続けることが、めでたいこととされてきたのです。


そうした「一族の再生」のために見出された方法、つまり、老から若への若返りの重要な結節点となるのが「ことほぎ」という行為で、古来よりこの「寿ぎ」に重要な役割をはたすのが「翁」でした。

この「寿ぎ」によって「若」が出現します。

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