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Rukai(ルカイ)とは宮沢賢治の『二十六夜』に登場する爾迦夷(るかゐ)というフクロウの名に因みます。
翁のことほぎ(3)
生き物の生存戦略上、重要な意味をもつ「ことほぎ」

国立劇場(東京)開場45周年記念
「人形浄瑠璃文楽九月公演」2011年
『寿式三番叟』
こうして、人間という生き物としての生存戦略として、まず最初に「従来属してきたものから分かれること」そして次に「異質な他者と合わさること」が繰り返されてきたのです。
けれども、幼い頃から慣れ親しんだ場所(家族)からは離れがたく、自分の意志で(恋に落ちたりして)離れようとする以外には、動機が立ちにくい。
特に一族の都合で結婚させられるような場合には、翁のような長老からの「心をほぐす言葉」が必要だったのでしょう。
これまでの一緒にいた一族(家族)に対して固い絆を感じている心を、笑いで揺らし、言葉でほぐし、別の世界への興味の入る隙間をつくる。そうして「別れ・分れ」をもたらすものが「ことほぎ」でした。
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