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Rukai(ルカイ)とは宮沢賢治の『二十六夜』に登場する爾迦夷(るかゐ)というフクロウの名に因みます。
翁のことほぎ(4)
「パッかーん」と割れて別れて、翁が笑う
寿式三番叟
「パッかーん」と割れて別れて、翁が笑う。
日本語では、「割れる」も「破れる」も「われる」と言い、「笑う」の「わらう」に近い。
そして「笑うかどには福きたる」。
こうして日本では、新たな「結び」の前には、「別れ」(若)が必要で、さらに、「別れ」の前には「ことほぎ」(寿)が必要で、そしてめでたく「結び」が実ったあとは、再び、「老い」て固まり、また再び、「ことほぎ」されてゆきました。
この「寿、若、結、老」の循環こそが、「福」をもたらす目出度いこととされ、永遠の廻りの祈りにとって翁は欠かせない存在であり、猿楽の流れを受け継いだお能の『翁』の後半の「三番叟」では、笑みをたたえた翁が天下泰平を祈り舞います。
そして「寿、若、結、老」の循環は、萌えの春、盛りの夏、稔りの秋、籠りの冬、と季節が移ってゆくことにも重なっていて、冬から再び春へ向かう前に、若水を汲んで、全てを新たにして年を迎える行事にも、この循環への願いが潜んでいます。
記紀に登場する神々にも、旧を壊し新たにする神「荒御魂(あらみたま)」と、結びと実りをもたらす神「和御魂(にぎみたま)」の両方が認識されてゆき、荒ぶる神のスサノオ、和する神のアマテラスとして象徴されたのです。
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