Rukai(ルカイ)とは宮沢賢治の『二十六夜』に登場する爾迦夷(るかゐ)というフクロウの名に因みます。
50代後半からの再生を寿ぎ続ける
「ことほぎ 」もたらす「拭く拭く福の神」
日本では古来より、再生のはじめに「ことほぎ」がありました。
重なり固まりもつれ合い、そして長い年月の間にすっかり硬くなって糸口の見えなくなった現状を「ほぐす」。
そこからリセットへ向かうことになるのですが、その具体的な方法が「自らの手で床を拭く」という行為でした。その方法がそれまでの身辺の事態を一変させていきました。
ところで、「拭く」という文字の中に「式」があるのは、なぜなのでしょう。
「式」とは、数式や方式という言葉や、古代においては式目や式神など、なにか「決まった手順と方法」に関わる意味を持ちます。
宇宙の法則に「エントロピーの増大」がありますが、どんなことも自然のままにしておくと、ごちゃごちゃが増すようになっています。
そんな中、人間は、「拭く」という行いによって、なにかが「復元する」「もとに戻る」ということを発見したのですね。お猿さんは拭いて綺麗にしたりしませんから。
古代においてその行為は、モノゴトを生き返らせる能力を秘めたものとして捉えられました。
だから、「ふく」という動作の文字が、手偏に「式」となっているのは、それが人間が一番最初に得た「方法」であったことの証なのです。
エントロピーの増大を逆回転させる。
「ふく」という音を持つ、往復の復も、正副の副も、幸福の福も、複数の複も、みんな同じく「リバース」というカタチを奥に秘めています。
資本主義が誕生してから長い間、そして今も、プラス思考で足し算や増大ばかりに目が向きがちな世ですから、再生の具体的な方法としての「ことほぎ」や「拭く」という方法が、きっと大きな力を発揮するようになるでしょう。
そんな大きな話ではなくても、なにより50代後半以降の生き方を寿ぎ続けてくれています。